教育工学とは
教育工学とは,教育改善を目的とした実践の学とされています.さまざまなバックボーンを持つ研究者,実践者が学際的な研究をしています."なかのひと"としては,だいたいの定義や手法が理解できますが,教育工学をフィールドとしない方には,理解できません.それは,書類であふれた僕の机と一緒なのです.僕はどこになにがあるかわかっているけども,他の人はわからない.でもそろそろ,いろいろなことを整理して,学術基盤を確立すべきときになっているような気もします.机の掃除もしないといけません.
学術的な定義
教育工学事典では,坂本先生が「教育改善のための理論,方法,環境設定に関する研究開発を行い,実践に貢献する学際的な研究分野であり,教育の効果あるいは,効率を高めるための様々な工夫を具体的に実現し,成果を上げる技術を開発し,体系化する学である.」と書かれています.また,「テレビ,ビデオ,コンピュータ,マルチメディア,インターネットなどのメディアの教育利用研究ではない.」ともおっしゃっています.ですから,大切なことは,教育をよくすること.よく誤解されるような,e-Learningのシステム構築を基盤とした工学ではないのでしょう.そもそも「工学」とは,広辞苑によると,「基礎学を工業生産に応用して生産力を向上させるための応用的科学技術の総称」ですから,ニーズがある学ではないでしょうかね.
責任範囲
以上のような研究分野である以上,学習効果が「あった」と言うことを言わなくてはいけないわけですが,それをどう示すか.という問題があります.なので,教育工学では実験をするわけです.学習者の動向や,変化を観察します.その際,比較ということが重要になってきます.例えば,極端な例ですが,授業方法 A,Bを行って比較をするわけです.そうすると,自ずと,良いところが見えてきます.
東工大で?
私は東京工業大学で教育工学の研究をしています.東京工業大学というと,工学系の大学で,"つるはし"担いで,油くさいイメージ(僕の偏見ですが),そんなところで教育学習研究できるんですか?とよく言われます.ですが,東京工業大学は,教職課程も付属高校も持つ大学なわけですから,教育研究を行っても不思議ではないわけですね.ただ,教育学ではなく,教育工学を行うというのも,工業大学ゆえでしょうかね.
「99%の努力1%のひらめき」
教育工学についての説明は,下記の書籍でも調べられます.お手軽なところで,東工大の松田先生のコラムなどは,よく書かれているような気がします.
関連書籍
- 教育工学への招待
初めて読んだ教育工学関連の本.教育工学について,ざっくり書かれている.これを読んで,教育工学に関心を持つ人は多いと思う.そんな僕もその1人である.読んで,大胆にも著者にメールを出して,研究室訪問をしたのが,大学院進学の第1歩であった.まさに教育工学への招待である.なんと絶版であった….ユーズドショップでお買い求め下さい.
関連書籍
- 教育工学をはじめよう
理科大でお世話になった清水先生が書かれている本です.東工大に入学してから読みました(順番がおかしいが).教育工学の研究者の着眼点や,研究の進め方,学会発表の仕方など,実践的なことが書かれています.卒業研究で教育工学を扱う方や,修士から教育工学を研究される方は読んだ方が良いです.
学会
- 日本教育工学会
- 日本科学教育学会
- 教育システム情報学会
- AACE
論文を調べてみよう
Ciniiなどで,論文を調べてみよう.
